機能性胃腸症・機能性ディスペプシア

 

 かつて慢性胃炎と言われていた病気です。もっと昔には胃アトニーと呼ばれていました。胃の内側を検査して炎症が無くても食後の膨満感・胃痛・胸焼け・胃もたれ、といった胃薬を飲みたくなるような症状が出るのが特徴です。炎症などの病変(器質的病変)が無いのに何が原因かというと、胃袋の「働き」に異常が出ている、と考えます。(機能的病変)

 具体的には、口からご飯が入ってくる→胃袋が適度な大きさに広がってそれを受け入れる→適度な時間、ご飯を胃の中に留めて胃液と混ぜ合わせる→胃から十二指腸へ向かって適時送り出す、といった働きを自動的に行なっています。この働きに狂いが生じると胃に見た目の異常が無くとも嫌な症状が出ます。

機能的病変に強い中医学

 器質的病変である胃潰瘍や胃炎を含め、吐血も含めた胃の病気は太古から記録があり、アレキサンダー大王に攻められたギリシャ兵士から夏目漱石まで、みなさんが苦しんで来ました。これに対する治療法も古くからありましたが、貝殻粉末(アルカリ性)等の胃酸中和剤程度です。つい数年前まで代表的な制酸剤だったH2でロッカー(ガスターなど)が出てきてからまだ50年しか経っていません。それに対し中国では宋(12c)時代には現代でも胃炎に使う安中散が現れています。鍼灸でも胃炎・胃腸症の症状に対する治し方は更に古くから沢山記載されていて、現代でも(てんほう治療院でも)ほぼそのまま用いています。

鍼治療が良く効きます

 五臓六腑、という熟語がありますが、この中で胃炎・胃腸症に特に関係する内蔵は脾と胃です。(脾とは聞き慣れないかもしれませんが、胃腸の親玉と思ってください)またこの2つの内蔵を弱らせる原因となる内蔵に肝があります。神経性・ストレスが原因の胃の症状は肝が悪さをしていることがあります。他にも一見関係がなさそうな内蔵が原因のこともありますので一人ひとり調べて、何が原因かを調べて鍼をすることになります。

胃には直接鍼をしません

 主な鍼のツボは手足・背中です。具体的な治療は、来院時に胃の症状があればもちろんそれを取り除きますし、症状がなければ帰宅後・食後・就寝中に症状が出ないような治療をします。治療をしてその後に症状の軽減があれば次回以降の治療で同様のツボを何度か繰り返していき、変化がなければ違うツボを調べて試します。

生活習慣も大切

 経験上、喫煙・飲酒・過食・睡眠不足・ストレスなどは軒並み症状を悪化させます。止めたほうがようですし、止められなければそれなりに症状を改善させる方法を探していきます。

内科の受診・服薬について

 この症状をお持ちの方にはまずは内科の受診をおすすめします。他の病気である可能性を除外してから鍼灸を試すべきです。よく処方されるPPI(タケキャブ)という薬は効く人には良く効きます。残念ながら効かない人もいますので、そんな方はぜひ当院にお問い合わせください。なお、服薬しながらの鍼灸治療は問題ありません。

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