つらい頭痛は鍼・指圧がとてもよく効きます。
この部分の筋肉は重い頭を支える重要な働きをしていて、横になっている時を除いて常に負担がかかっています。普段は首まわりの筋肉が交互に働いたり休んだりしているのですが、オフィスワークなどで同じ姿勢を続けたり、不自然な姿勢を続けたりすると疲労します。そしてこの疲労が慢性的になり、筋緊張や血行不良が続いた状態で緊張性頭痛が起こりやすくなります。
また中国医学では「カゼのもとは頭・首の後から入ってくる」と、カゼと頭痛との関係をこのように説明しています。多くは冷え・寒さが原因なのですが、やはりこの部分が冷えると頭痛になることがあります。
頭痛はなんとなく内科の症状のように思えますが、脳が原因による頭痛よりも、首まわりの筋肉の異常な緊張が原因のことが多いのです。このような場合、当院では後頭部・首・肩に対して鍼・お灸・指圧などを用いて筋肉の異常な緊張を取り除く治療をします。
症状は通常一度で改善しますが、筋肉の緊張を作ってしまった原因をさらに改善するため、2~3回治療を続けていただくと、再発しにくい状態にすることが出来ます。そのほか鍼灸や指圧で背中の筋緊張を取ることにより頭痛を治したり、胃や腸のツボを刺激することで頭痛を治す方法などがあります。
後頭部・首の筋肉は、顔の表情を作る筋肉などのように、自律神経の影響を受ける筋肉です。つまり精神的緊張やストレス、疲労、不眠等が原因でおこる頭痛の場合、その多くが首まわりの筋肉に強い緊張があります。
よく「ある治療院で、首の骨がずれているといわれた」という患者さんがいますが、よほどの事故でもない限り、首の骨がずれることはありません。やはり問題の多くは首の筋肉にあります。
当院では頚椎に対する矯正や調整する手法は、安全の為原則もちいません。首の筋肉にたいして指圧や鍼によって刺激している限りは安全です。
本当は怖い頭痛の話
群発性頭痛
という非常に激しい痛みが特徴の頭痛があります。てんほう治療院にいらしている頭痛患者さんの中では少ない方ですが、痛みが激しいため、頭痛発作のおきている最中はまず来院できません。ですので治療は隔週で一回の予防的治療か、発作が起きそう、という時にあわてて来ていただくことになります。いまある痛みを取る治療と異なり、治療結果が本当に出たかどうかがその後数時間経たないとわからない、という点がこの病気の治療の難しい点です。
現在、群発性頭痛と病院で診断された方のカルテの内、10回以上の通院記録がある患者さんは8名ほどになりますが、このうち治療方法と治療効果が同じだった方は3名しかおらず、その他の5名はそれぞれ違った治療方法で効果がありました。つまり8名中6種類の治療方法が存在した、ということになり、この頭痛の治療の難しさを表しております。同じじ患者さんでも、昨年効いた方法では今回効かなかったりすることもあります。
原因や体質も様々なので当然ですが、頭部のツボが効くこともあれば耳のツボだけで予防できることもあります。またかんたんなケースでは脈診で選んだ手足のツボだけでここ2年間なんとか発作を抑えられている方もいます。もちろんこういう成功譚の裏には効果が全く出せずに発作が起きてしまった方や効果不明の方もいます。
偏頭痛
に関しては治療結果が比較的安定していますが、激しい頭痛になってからの治療結果はあまりよくない印象です。偏頭痛と緊張性頭痛の治療法は、一部全く逆になることがあります。偏頭痛は血行が良くなると大体悪化しますが緊張性頭痛は改善します。また偏頭痛の病歴がある人でも緊張性頭痛になりますが、その判断が本人につかないことがまれにあります。初診の患者さんに対しては注意深く尋ねるようにしていますが、いつも飲んでいる頭痛薬が効かない等の情報がカギになることもあります。
頭痛にはその他、高血圧や耳・鼻の疾患が原因で起こるものなどあります。いずれにせよ「頭痛くらい」と思わず、なかなかな治りにくい痛みや頻発する場合は、ぜひご相談ください。